理事長 小湊 格
「相続」は戦前の家父長制度を基盤とした家督制度から共同相続による均分相続へと改正されて五十数年を経過しましたが、相続の現場では財産の分割を巡り紛争がたえません。また、介護保健法の成立により親に対する介護の状況は変わりつつあり、本来在宅介護を理想として成立した介護保健法ではありますが、実際には施設介護に集中しており、扶養と相続が分断され相続はいっそう混乱をきたしております。また、相続税は簡素化にはほど遠く、専門家でなくてはその税額計算は難しい限りであり、相続税額の負担や財産の分割によっては、せっかく築き上げた会社や住まいも手放すケースもあり得ます。このような背景に鑑みて、各専門分野で培われた高度な知識や経験を社会の要請に応えて生かしていく機会を創出することは、今後の重要な課題であります。その観点から私たちは相続に欠かすことのできない知識と経験を互いに協力して、地域社会に対して幅広い分野で各種の支援活動を行うことは、健全な社会資産の形成にとっても、きわめて有意義なことであります。よってここに、私達有志は「相続支援協会」を設立し、意欲ある多彩な専門家を募り、非営利団体として相続の支援活動を通じて、地域社会に貢献しようとするものであります。その目的は、高度な知識と豊富な経験を有する会員相互の協力により、相続に関する幅広い分野での調査研究または教育普及活動をおこうなうとともに、不特定多数の市民、団体等を対象に助言または支援協力を行い、相続についての知識や啓蒙を深めることであり、社会教育の一環に資することにより、広く公益に寄与するものであります。
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